/
合成例 6

合成例 6

既存のHDRIマップ内での個々の光源の制御

こちらは最も複雑な例ですが、コンポジットを使用して何ができるかを示しています。

(デモシーンを提供してくださったRaphael Rau氏に感謝します - http://www.silverwing-vfx.de

Picture Background ライトを作成し、様々なライトまたは窓のある部屋の HDRI マップを読み込みました。コンポジットを使用して、ライトまたは窓のグループの明るさを制御できるようにします。

これにより、HDRIマップのこれらの領域の輝度を上げたり下げたりすることができます。

ベースのHDRIマップをクランプする

まず、Low Pass ブレンドモードを使用して、ベースのHDRIマップの明るさを調整し、アンビエントライティングを作成します。

このLow Passのライトに使用する正しいレベルを選択するための良い方法を紹介します。

Flatコンテンツ、Planarマッピングの新しいライトを作成し、キャンバスいっぱいになるようにスケーリングします。

Blend ModeをAddに変更し、ブレンドのInvertを有効にして、Blend ChannelをValueに変更します。

このライトは、HDRIマップ全体の明るさを、ライトで設定した輝度の値だけ減少させます。

HDRIマップの光の明確な領域がはっきりと確認できるようになるまで、ライトの輝度を調整します。これは、ベースのHDRIマップの閾値となります。

下の画像では、ライトで50の値を使用することで、ライトと窓による明確な領域がはっきりと表示されることが確認できます。

このライトのBlend ModeをLow Passに変更します。これにより、最も明るいピクセルは50に制限されます。HDRIマップから光を効果的に削除します。

下のレンダリングされたビューで、明るい反射がなくなったことが確認できます。

Low PassによってクランプされたHDRIマップの領域に色が表示されます。この色は元から含まれていましたが、ピクセルの明るさで確認することができませんでした。

ライトの名前を「Low Pass」に変更します。

Composite Lightを作成して、領域の輝度を取り戻す

次に、HDRI マップの一部の光を含むライトになる、Composite Lightを作成します。これは、クランプされたベースのHDRIマップに再び追加され、明るさを調整可能な光源となります。

既存のライト、ベースとなるPicture BackgroundライトとLow Passライトの両方を複製します。

次に両方のライトを選択し、Merge to Compositeを選択します。

コンポジットを編集します。

Low Passライトの名前をSubtractに変更します。

Blend ModeをAddに変更し、Invertを有効にして、Blend ChannelをValueに変更します。

キャンバスには、マスク可能なライティングの領域が表示されるようになります。

PlanarマッピングとFlatコンテンツに設定した新しいライトを作成します。

名前を「Mask」に変更します。

このライトを移動またはスケーリングして、一緒に制御したいライトのグループを覆います。

下図のように、ライトがライトのグループを覆っていることがわかります。

 
位置が決まったら、このライトのBlend ModeをMultiplyに変更し、Maskを有効にします。

その領域がマスクされ、これらのライトが分離されました。

ベースのライトリストに戻る場合は、リストの上部にある戻る矢印を押します。

このComposite Lightを複製して、さらに2つのComposite Lightを作成し、これらのライトの中のMaskライトを調整して、他の2つの領域を定義できます。

これは、私たちが以下で行ったことです。また、ユーザーにとってわかりやすいように、Composite Lightの名前を変更しました。

すべての領域が追加されると、できあがった HDRI マップのデザインは元の HDRI マップと同じように見えます。

しかし異なることは、HDRI マップのそれぞれの領域の明るさを個別に調整できるようになったことです。

各Compositeライトをソロ化して、3Dシーンで分離されたライティング効果を確認しましょう。

すべてのライトをオンにすると、各ライトのグループの輝度を調整することで、3Dシーンに最適なライティング効果を得ることができるようになりました。

こちらの図は、今回作成したものと、ライティングプロジェクトがどのように構築されているかを示しています。