合成例 3
異なるHDRIマップの領域の混合
こちらの例では、異なるHDRIマップの領域を混ぜ合わせることで、ショットに個性的で完璧な、すべての特徴を持つライティングを作成する方法を紹介します。
Picture Backgroundライトを作成し、興味深い空港ターミナル内部のHDRIマップを読み込みました。これにより、車に多くの面白い反射が作成されます。
次に、ツールバーからGradient Backgroundライトを作成し、そのMappingをSphericalに、ブレンドモードをMultiplyに変更します。
Value Rampでは、ランプの最上部が白、最下部が黒になるようにします。また、Value Rampの中央にもう一つ黒いペグを追加します。これにより、ライトの大きさをより制御できるようになります。
これで、キャンバス全体を囲み、白から黒へと徐々に変化する、とても便利なライトの完成です。このライトのBlend ModeのMultiplyは、白から黒になるにつれて、その下のHDRIマップを暗くすることを意味します。マスクのような役割を果たします。
下図をご覧ください。
LightPaint のReflectionモードを使用して、調整したGradient Backgroundライトを配置します。
これで、このライトを使用して、HDRIマップのどの領域をモデルに反映するかを制御できるようになりました。
その結果が暗すぎる場合は、HDRIマップを読み込んでいるPicture Backgroundライトの輝度を調節してください。
下図では、HDRIマップのソフトな領域が車に映り込んでいるのがわかります。これにより、ライティングの雰囲気が良くなりました。
このライトの Value Ramp に追加した黒いペグは、領域のサイズを変更するために使用できます。
透かして表示させるための、このHDRI マップの別の領域を追加したい場合は、ツールバーの標準的なRoundライトを使用して行うこともできます。
新しいRound Lightを作成し、LightPaintを使用して、HDRI マップの中からさらにライトを当てたい場所に配置します。
次に、必要な効果を得るためにCompositeを使用する必要があります。
Round LightとGradient Backgroundライトの両方を選択し、それらをCompositeにマージします。
Compositeを編集します。
各ライトを選択し、Blend ModeをAddに変更します。
ベースのLight Listに戻り、Composite Lightを選択し、そのBlend ModeをMultiplyに変更します。
これで、これらの2つのライトは、その輝度をその下にあるHDRIマップと乗算するようになりました。これらのライトの輝度は、HDRIマップの領域の明るさを決定します。
次に、別のHDRIマップを読み込んで、左側を照らす異なる雰囲気のライティングを作成します。
別のPicture Backgroundライトを作成し、別のHDRIマップを読み込みます。Blend ModeをOverに設定し、他のライティングを覆います。
先程と同じ手順に従って、ツールバーからGradient Backgroundライトを作成し、MappingをSphericalに、Blend ModeをMultiplyに変更します。
Value Rampで、ランプの最上部が白、最下部が黒になるようにします。また、Value Ramp上にもう一つ黒いペグを追加します。
このライトを車の左側で反射するように移動させます。
ここで、先程作成したライティングが、この新しいライティングと混ざり合っていることを確認するために、ライティングを整理する必要があります。
新しい方のPicture BackgroundおよびGradient Backgroundライトを選択し、それらをCompositeにマージします。Composite LightのデフォルトのBlend ModeはAddなので、直前に作成したライティングが、以前のライティングの上に加算されます。
両方のHDRIマップの領域によるライティングで、両方のライティングデザインが混在していることが確認できます。
これで、ライティングの全体的な見た目を確認できるようになりました。望む見た目を作成するために、任意の部分を調整することができます。
HDRIマップのマスクに使用しているライトのいくつかを移動させることもできます。
Longitudeスライダを使用することで、Picture BackgroundライトのHDRIマップを回転させることもできます。
以下のように、いくつかの調整を行い、HDR Light Studio内でV-RayでのIPRを表示するように切り替えて、最終的な結果を確認します。
こちらの図は、今回作成したものと、ライティングプロジェクトがどのように構築されているかを示しています。